私の持つ唯一の着物は母のおさがり~買取査定に出してみた体験談

私が唯一持っている着物、それは成人式の振袖です。この着物は母のものでした。母のおさがりです。正直言って私は母の着物があまり好きではありませんでした。母の成人式の着物なので30年以上前の着物です。当時人気のあった色や柄でも全くなかったのです。質はいいものであったため保存状態はいいものの、少しの汚れや経年劣化があり完璧な状態ではありませんでした。

友人たちと一緒に参加する私の晴れの成人式なのになぜ私だけこの古い着物を着なくてはならないのかと私は思っていました。母にもその思いをぶつけたことがありました。そんな時にこの着物にまつわる話を聞きました。

母は2人姉妹の妹で、母親(私の祖母)を早くに亡くしていました。元々、母は姉の着物を着る予定でした。母親を亡くし、父が一生懸命育ててくれたことを母はわかっていました。金銭的に困難なことが多くいつも姉のお下がりばかりを着ていました。そんな中、母が唯一欲しいといったのが成人式の着物だったそうです。私の着物は母が買ってもらった唯一の母自身の着物でした。

その話を聞いたとき、母がぼっそっと言ったことを覚えています。
「あなたのあの着物を着た姿がみたい」と。
実はこの時、母は母の母(祖母)と同じ病気を患っていました。祖母は母の成人式を見ることが出来なかったそうです。だからこそ母は私の成人式を、また母の唯一の着物を着た私の姿を見たいと思ったようです。母の着物は母の指示により着物専用のクリーニングが施され、また伊達襟の色を変え私の着物となりました。私の着物姿を無事に母に見せることが出来ました。祖父にも再度、母の着物を見せることが出来ました。

また伊達襟の色を変えた際に母が頼んでくれていた物がもう一つありました。私の袴です。大学卒業の時、母は準備することが出来ない、見ることのできない私の卒業式のために準備しておいてくれました。母が直接見ることはできなくても、どこかで見守ってくれていると信じ、私は再度母の着物と袴で卒業式に出席しました。

母にとって唯一の着物、私にとっても大事な着物は今も大切に保管してあります。一時は売ってみようと思い査定に出したこともありましたが(笑)査定はスムーズで文句なしだったんですが、なんとなくやめました。岡山の買取業者は
このサイトで選びましたよ。着物を手放す前に読んでみてくださいね。